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糖尿病網膜症に負けない!

2型糖尿病で糖尿病網膜症のある女性患者のブログです。

加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫の違いって?

加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫の違い

加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫

加齢黄斑変性は、ものを見るときに重要なはたらきをする黄斑という組織が加齢とともにダメージを受けて変化し、視力の低下を引き起こす病気です。

ものがゆがんで見える、視野の中心が暗くなる、目がかすむ、視力が低下するなどの症状が出るところは糖尿病黄斑浮腫とよく似ています。

加齢黄斑変性は「萎縮型」と「滲出型」の2種類に分けられ、萎縮型は加齢によって網膜の組織が萎縮して網膜とその中にある黄斑が障害され視力が段々と低下していきます。

滲出型では、網膜の下にある脈絡膜に「新生血管」という脆い血管ができ、網膜へ血液中の成分が漏れ出したり、新生血管が破れて出血が起こったりなどして網膜が障害されます。

 

加齢黄斑変性

 

上の図は医療法人社団海仁様のサイトから引用させていただきました。本来、黄斑部は凹んでいるのが正常ですが、脈絡膜新生血管という細くて脆い血管が生えてきて黄斑を押し上げてしまっています。

脈絡膜新生血管は病的近視(眼球がまん丸ではなく後ろの方が変形して突き出し、視神経や網膜が引き伸ばされて変形している状態)でも起こるそうです。

 

糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫

 

いっぽう、上の図は糖尿病黄斑浮腫です。図はずっと見える情報局様のサイトから引用させていただきました。

糖尿病黄斑浮腫は、網膜の細い血管にコブができたり、血管から血液中の成分が漏れ出して網膜内にたまっている状態です。

黄斑がむくんでいるといっても、こうやって2枚の図を見比べてみるとやっぱり2つの病気は異なることが分かりますよね。糖尿病黄斑浮腫は糖尿病網膜症の初期から生じることがあるけど、この段階ではまだ新生血管は生えていないけれど血液成分が漏れやすいのです。  

加齢黄斑変性を発症する原因は?

患者向けの医療サイトをいくつか見ましたが、加齢黄斑変性を発症する原因に関して「よくわかっていない」と書かれていたり「諸外国に比べ日本人では男性に多い。これは高齢者における男性の喫煙率が高いことが影響していると考えられています」「加齢だけでなく喫煙や太陽光なども関係している」とあります。

藤川徳美医師のブログ記事「眼科疾患と栄養」には「黄斑変性は光、炎症による酸化ストレス→過酸化脂質(リポフスチン)沈着。治療は低糖質食、ω3脂肪酸、C、E、Zn、カロチノイド」とあったのでこのあたりをもう少し調べてみようと思いました。

すると、いろいろ情報が出てきました。目の老化は18歳ころからすでに始まるとされ、有害なリポフスチンがたまりドルーゼン(色素上皮と脈絡膜との間にたまる黄白色の沈着物)に変化するそうです。

 

 

ドルーゼンの数がどんどん増えて、萎縮型黄斑変性や脈絡膜の異常血管が発生するんだそうです。リポフスチンが増える原因としてタバコ、ブルーライトなどが考えられるそう。

リポフスチンは「加齢性色素」と呼ばれ、いかにも加齢とともに増えていくのは仕方がないような印象を受けますよね。しかし細胞内での過酸化反応が亢進した結果として大量に作られるようです。

若い頃は細胞の新陳代謝で生じた老廃物はきちんと処理できますが、加齢や何らかの原因によって処理しきれなくなるとドルーゼンが色素上皮と脈絡膜の間にたまっていきます

本来はそこに無いはずの老廃物がたまると、慢性的な炎症が起き、炎症を鎮めようとしてVEGFが放出され、その結果として新生血管ができてしまうと考えられています。

 

紫外線などは角膜や水晶体で吸収されますが、ブルーライトは角膜や水晶体で吸収されず、網膜まで達してしまい黄斑にダメージを与えます。これが「光による酸化ストレス」ですよね。

夫は仕事中はブルーライトカットメガネをかけています。うーん…私も買わなければいけませんね、これは。パソコン作業をたくさんするので…というわけで試しにさっき楽天市場で購入しました!

そして加齢黄斑変性と糖尿病網膜症にはともに「血管内皮増殖因子(VEGF)」が大きく関わっています。血管内皮増殖因子を大きく増加させるのがインスリンやIGF‐1です。

滲出型加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫では、ともにVEGFの働きを抑える薬剤を眼球に注射する治療法(とても高価!!)が有効とされているのは、そういうことなのです。

 

加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫の関係

VEGFに関するマンガ ↑私の糖尿病ブログの記事「糖尿病で新生血管ができたり血管から血液成分が漏れやすくなるのはなぜ?」より

 

先ほど「加齢黄斑変性と糖尿病網膜症にはともに血管内皮増殖因子(VEGF)が大きく関わっている」と書きました。

つまり共通の原因があるわけなので、糖尿病網膜症の患者さんは加齢黄斑変性にもなりやすいということになります。

ドクターシミズこと清水泰行医師の著書『「糖質過剰」症候群 あらゆる病に共通する原因』には『糖尿病性網膜症があると、加齢黄斑変性にも罹患しやすい。どちらの病気も糖質過剰症候群の一つである』と書かれていました。

糖尿病の方は加齢黄斑変性のリスクも高いと思われるので、いっそう気を付けなければいけませんよね!!

加齢黄斑変性を予防するためにはどうしたらいいか

アメリカで行われた調査研究で、加齢黄斑変性になりやすい人が亜鉛と抗酸化ビタミンを大量に摂ると加齢黄斑変性の発病率が低くなることがわかりました。

青魚に多いω-3脂肪酸も加齢黄斑変性によいとされています。マウスの実験ですが、青魚に含まれるDHA、EPAを摂ると、脈絡膜新生血管の産生が抑制されるという結果が出ました。

ルテインの摂取は黄斑部の黄色色素を増加させ、エネルギーの高い青色光の吸収を高め黄斑部の障害する危険度を低下させる効果があるんですって。

わが家では↓↓↓ルテインのサプリメントを家族全員で毎朝1カプセルずつ飲んでいます。今は大人はもちろんのこと、子供たちもスマホをよく使うのでブルーライトの害が心配ですよね。

 

 

タバコを吸わないこと、ブルーライトを浴びすぎないように気を付けること、食事は青魚や緑黄色野菜を増やして糖質を摂り過ぎないことが良さそうですね。

インスリンが大量に分泌されるような食事だとVEGFが増え、加齢黄斑変性にも糖尿病網膜症にもなりやすくなりますから…

なお、VEGFが増えやすく糖尿病網膜症になりやすい体質や加齢黄斑変性になりやすい体質には遺伝もかかわっているそうですが、長くなるのでその話はまた別の機会にいたします。

「私はサプリメントは飲まない主義です」という方も少なくないと思いますが、パソコンやスマホを使う現代の日本の生活では野生動物や大昔のご先祖様よりもはるかに多くのストレスが目にもかかりますよね。食事だけで何とかするのは困難かもしれません。

目へのストレスが多い現代だから、特に今の若い方や子供たちが中高年になった時はさらに加齢黄斑変性が増えるのではないかと心配です。しっかり対策しましょう!

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