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糖尿病網膜症に負けない!

2型糖尿病で糖尿病網膜症のある女性患者のブログです。

糖尿病黄斑浮腫は治るの?治らないの?

糖尿病黄斑浮腫は完治するかどうか

 糖尿病黄斑浮腫は完治する?完治しない?

糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫(網膜のむくみ)になると見え方に影響が出てくるので本当に不快ですよね…私は左目に少し黄斑浮腫があり、若干の変視症(ものがゆがんで見える)があります。

糖尿病黄斑浮腫の治療と言えば、眼科で抗VEGF薬(新生血管の増殖や網膜の毛細血管から血液成分が漏れ出す原因となる物質の働きを抑える薬)を眼球に注射をする治療がよく知られていますよね。

その注射をするにしてもしないにしても「で、結局糖尿病黄斑浮腫は完治させることができるの?それとも完治は無理なの?」

いうことが大いに気になりますね!

糖尿病黄斑浮腫が完治するかどうか、医療サイトをざっと調べてみました。書かれていることはサイトによって微妙に異なるのですが、以下は引用です。  

 

黄斑浮腫は、取り除いたとしても原因となる病気が完治しない限り再発する可能性があります。 (ひらと眼科様のサイトより)
いったん黄斑浮腫が消失しても,これらの注射による浮腫の抑制効果は一時的なので,再発は避けられません。 (Web医事新報様のサイトより)
網膜の浮腫の軽減のため、薬剤を眼内に注射することがあります。比較的有効性が高い治療ですが、数か月で薬の効果がきれて浮腫が再発することがあり、そのときは再度注射をするか、硝子体手術を行った方がいい場合があります。 (石川眼科医院様のサイトより)

 

…うーん、つまり注射による治療で一時的に黄斑浮腫が「治った」状態になることはあるけれど、根本的な原因を解消しない限りまた再発してしまう可能性が高いということですね。

これでは治療によって完治するというのは難しいかも。 よく考えたら糖尿病が原因で網膜症になって黄斑浮腫になったのに、糖尿病をかなり上手にコントロールしない限り、対症療法を行っても再発するのは当たり前ですよね。

そして、浮腫が長期間そのまま放置されていると、浮腫が解消されても視力が戻らなくなってしまうこともあるそうです。できるだけ早く何とかしなければ!

   

 

糖尿病が原因で黄斑浮腫になる原因をおさらい!

黄斑浮腫は糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症にともなう眼底出血、ぶどう膜炎など、さまざまな病気によって血管から水分が漏れやすくなって起こります

では糖尿病網膜症になるとなぜ血管から水分が漏れやすくなるかと言うと、インスリンやIGF-1が必要以上にVEGF(新しい血管を作ったり血管の血管透過性を亢進させたりする)を増加させるからです。

インスリンはIGF- 1の活性を高めるので、インスリンが大量に分泌されたり大量に注射するとインスリンとIGF- 1の作用が亢進することになりますね。 他にAGEs(最終糖化産物)の蓄積や活性酸素による細胞障害(酸化ストレス)などいろいろな原因が絡み合って糖尿病合併症が起こります。

2型糖尿病患者はインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい)がある場合がよくあり、健康な方と比べてより多くのインスリンが必要となるので高インスリン血症になりやすいです。  

 

VEGFに関するマンガ 私のブログ記事『糖尿病で新生血管ができたり血管から血液成分が漏れやすくなるのはなぜ?』より

 

インスリン抵抗性が生じる原因には肥満・運動不足・喫煙・妊娠・ストレス・他の病気や薬の影響のほか、体質(遺伝)もあります。

正常な血管では、水分や糖、アミノ酸といった小さな物質は血管壁を透過しますが、タンパク質などの大きな物質は血管壁を通過することができません。

必要なものがきちんと血管壁を通過できることはとても重要なのですが、血管の透過性が亢進してしまうと通常は通り抜けられない大きな物質が血管から漏れ出すようになってしまいます。

だから糖尿病患者の場合、血糖値を正常値近くでキープすることも大事ですが、「高インスリン血症を避ける」ことも非常に重要なのではないでしょうか。  

 

高血糖・高インスリンを避ける生活を!

糖尿病が原因で黄斑浮腫になった場合、注射などの治療で一時的に浮腫が解消されたとしても根本的な原因(高血糖や高インスリンなど)をすっきり解消できなければ再発しやすいです。

高インスリンを避けるためには、2型糖尿病の方はまず「インスリン抵抗性」をできるだけなくすこと、そしてインスリンが大量に分泌されるような食事を控えることが大事ですよね。

糖尿病網膜症がある場合は強度の高すぎる運動は危険なので、まずは主治医にどの程度の運動を行ってもいいか確認してから安全に行いましょう。

アメリカの1型糖尿病の医師バーンスタイン先生の本には、1型糖尿病を発症してから20年以上になる女性患者さんの黄斑浮腫がバーンスタイン先生の治療開始後9~10年ぐらいで完治した話が載っています。

 

 

バーンスタイン先生の治療方針は糖質制限(1日あたりの糖質摂取量30gまで)、それから運動、インスリンの効きをよくする飲み薬、それでもどうしても必要な量のインスリンを打ってできるだけ血糖値を安定させるものです。

治療開始後9年もかかって完治した患者さんがいらっしゃるというのは、大いに励みになりますよね。つまり時間がかかることもあるけれどあきらめてはいけないと…長年の高血糖によるAGEsの蓄積の影響は長い間続くと言われていますからね。

1日あたり糖質30g未満と言うのはなかなか実践できない方も多いですし、他の持病によっては無理な場合もあるので、できれば糖質制限に詳しい医師に相談してから慎重になさってくださいね。

薬やインスリンを使用中の方は勝手に実践すると危険です! 糖尿病黄斑浮腫は根本的な原因を解消しない限り再発してしまう可能性が高いので、お金を無駄にしないためにもできるだけ原因を取り除きましょう。

 

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